隣町の大きな魚屋へ行ったら、
男性の店員さんが
やけに力を入れて
サーモンの刺身を勧めていた。
でも、俺は
「サーモンってあんまし好きじゃないんだよね」
と正直なところを言ったら、
その店員さん、激しく頷きながら、
「わかります、わかります、実は私もそうだったんですから」
と同意を見せた上で、
「でも、これは違います。このサーモンは別格なんですから」
と効能書きのようにその刺身の美味さをグイグイ力説してくるのだ。
なので、そこまで言うならと思い
俺は
「じゃあ、折角だから試してみるか」
と刺身のパックをカゴに入れたよ。
すると、店員さん
「ありがとうございます!」
と嬉しそうに礼を言った後、
何だか妙に上目遣いになり、弱々しい声で
「あ、もし、お口に合わなかったら、ゴメンナサイね」
と急に弱腰に・・・
って
おい、ここは最後までツッパリきるところだろがっ!
まあ、家帰って食べてみたら
確かに美味かったから結果オーライだけどさ?!