節分の日ということで
いつも行く隣町の大きな魚屋も
恵方巻だらけ。
刺身や切り身はレギュラーポジションから隅に追いやられ、
ショーケースは恵方巻に占拠されていて、
それはまあそれで壮観であった。
けど、それでも俺は今宵は
寄せ鍋をどうしても食いたいので
端っこで阻害されているようなタラの切り身を買い、
何だか救済したような気分を覚えるのだった。
それにしても恵方巻を食べる風習って妙な様式である。
晩飯という一定の限られた時間帯、
日本中の人々が
同じ方向を向いているのだ。
俯瞰してその光景を思い浮かべると何やら壮観ではないか。
巨艦の無数の大砲が並んでいるようなビジュアルを彷彿させる。
今年の恵方は南南東。
晩飯どき、
日本中の顔がその方角に向けられている。
当たり前だけど目も口も鼻も、だ。
つまり、日本中の視線が束になって向けられているわけで、
視線が突き刺さる、というように
視線って力があるから、
そのパワーのせいで
南南東の果ての方で何かトンデモナイことが起きている
のではないか、とちょいと不安になったりもする。
また、息も同様で、
日本中の鼻息が束になって
南南東に向かって吹いているのだから、
風向きに大きな影響を与えているようにも
思うのだが、どうだろう?
と思って、件の時間帯の天気(杉並区)を調べたら、
北北西の風
そう、つまり、ちゃんと
南南東の方角に向かって吹いていた(ホント)。
ほらね、恵方巻のせいである!?





