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6月, 2022の投稿を表示しています

6月27日(月)2022

「入院中(5月)のエピソード」その5


食事の時間になると

放送があって、

患者さんたちは

ナースステーションの前まで受け取りに行く。

まあ、一斉に各病室から出てくるわけだから、

それなりに廊下は渋滞するわけだ。

しかも、なんせ、眼科の病棟なので、

俺を含めほとんどの人、視力が万全じゃないときてる。

視界が心許ないわけよ。

だもんだから、皆さん、食事の乗ったプレートを両手に抱え、

衝突しないように、そろりそろりと慎重に、

行き交う人群れを間一髪でかわし、牛歩のごとく歩を進める。

さながら、ペキンパー映画のスローモーションシーンのよう。

妙にスリリングで何かのアトラクションみたいだったなあ?!

6月23日(木)2022

「入院中(5月)のエピソード」その4


 もちろん、

入院中は

アルコールは禁止されているよ、仕方ないね。

でもね、そうなると却って飲みたくなるもんだよ、解るよね。

しかも、この5月、やたらピーカンの晴天続きで

夏のように暑かった。

ますます飢餓感が煽られるような気分だったよ。


そんな真夏日のような或る昼下がり、

眺望のいいレストルームでぼんやり外を眺めてたら、

ふと、蒼空の向こうから大きな物体がゆるやかに飛んでくるではないか・・・。

それはこちらに近づいてきて次第に鯨のようなフォルムを露わにする。

飛行船!

シルバーに輝く巨大な飛行船。

機体に何やら記されている・・・。

さらに接近してきてロゴが明確に浮かび上がる。

「ASAHI SUPER DRY」

アサヒスーパードライ!

ああ、よりによって・・・・・・?! 

まるで、「ほれほれ、どうだ、飲みたいか、飲みたいだろ」と

嘲笑うかのように機体をゆっくり滑空させ、

ゆるやかに旋回し、やがて、焦らすように去っていく。

俺はもちろん、このレストルームにいた他の患者さんたちも

呆然と目を奪われたまま、悔しそうに喉を鳴らしてたね。

6月19日(日)2022

 「入院中(5月)のエピソード」その3


 病院内にはコンビニがあって、

とっても重宝したものである。

入院患者に支給される食事はわりと薄味なので、

物足りないとボヤくオッサンを何度か見かけたけど、

ベテラン(!?)になると

このコンビニで醤油やマヨなど調味料を購入して、

自分好みにカスタマイズしちゃったりする人もいたんじゃないかなあ。

で、栄養バランスおかしくしちゃって、さらに入院が延びて、

ますます老獪なベテラン患者へと進化し、

果ては病院の主様へと上り詰めている人もいるかもしれない。

あ、俺はちゃんと出された食事はそのままストレートにいただきましたよ、念の為。


あと、このコンビニには

当大学病院のオリジナルブランド商品も置かれている。

バッグ、ボールペン、タオルなどの他に

水。いわゆるミネラルウォーターの類ね。

「**大学病院水」

としっかり銘打たれて並んでいるのだ。

で、見てたんだけど、

医師さんや看護師さんら病院スタッフさん達は

むしろ、隣の「南アルプス天然水」の方を手に取ってたよ。

ま、考えてみれば、当然かもね、

なんせ普段から日常的に否が応でも病院の水を使用してるんだから、

わざわざ金を払う気にならんわな。

なので(?)、折角だから、記念がわりに

俺は「**大学病院水」を積極的に購入するようにしましたわ、はい。

こうして無事退院できたのだから、きっと効果あったんでしょう、

そう思うことにしてる。

6月15日(水)2022

 「入院中(5月)のエピソード」その2


「網走刑務所」

とデッカくプリントされた黒Tシャツの

入院患者さんを見かけた。もちろん男性。

そうか、退屈な入院生活をムショ暮らしに見立てて

気合をいれておるのだな。

さぞかし、シャバが恋しかろうよ。

あ、ちなみに

俺は

「八丈島流人」

とプリントされた黒Tシャツを持っているのだが、

残念ながら(?)自宅に置きっぱなしだった。

ああ、もし、持って来ていれば、

「昭和残侠伝」の高倉健と池部良みたいなコンビになれたかもしれない。

で、オペの時は

「お供しますぜ。あんた一人だけ血を流さすわけにいかねえ」

って付いてきて、唐獅子牡丹を歌ったり・・・。

で、

とっとと病院から追い出されてエンドマークだったでしょうね、

不器用ですから。

6月12日(日)2022

 「入院中(5月)のエピソード」その1


なんせ利き目というべき右目が塞がってて、視力が十分じゃないんだからね。

何より本が読めないのが辛い。

テレビはぼんやりしてて、野球中継を観戦しても、

ジャイアンツの岡本が3人、打席に立ってるように見える始末で、

一回空振りすれば、3人だから、いっぺんで三振かい!?

だもんだから、入院中の娯楽は

もっぱらラジオと、あと、ちっちゃなミュージックプレイヤー。

プレイヤーに収録されてるのは映画サントラ版、歌謡曲、そして、落語。

いやあ、この落語には特に救われたなあ。

ほとんど毎日聴いてたっけ。


5月25日の午前、右目の手術を受けたんだけど、

その直前も聴いていたんだよ。

しかも、それが奇跡的なくらい出来すぎた展開でさ、思わず笑ちゃったさ。

演目は古今亭志ん生の「黄金餅」。

で、問題はそのマクラなんだけど、

世の中にはやたら節約する人がいるもんですね、ってハナシ。

ある人が、両目をいっぺんに使うのはもったいない、ということで、

しばらく片目だけで生活していて、

やがて年月が経ち、くたびれてきたので、

反対側の目を使うことにして、見てみたら、

知り合いが一人もいなくなっていた。


って、これ、片目のオペの直前に聞くって、

何か俺持ってるかもなあ・・・・・・。

あ、もちろん、オペは上手くいき、

塞がっていた右目は開いたけど、

ちゃんと知り合いの方々はいらして、ホッとしましたよ、はい。

6月8日(水)2022

 ああ、良かったー!

ほんと、ホッとしたよ!

先週、半月の入院生活(右目の炎症の手術)を終え、

退院後、本日が初めての外来の診察だったんだよ。

で、先だってのオペの際に抽出した患部サンプルの

検査結果が出たんだけど、

炎症は細菌によるものであり、悪性腫瘍ではないと結論づけられた。

ああ、良かったー!

張り詰めていたものがドッと抜けたよー・・・・・・。


薬による治療も良好で

日に日に、数ミリずつ、目が開いて、だんだん視界が広がっている。

主治医さんの見立てでは、

一、二週間くらいで、さらにもっと開いてゆくでしょう、とのこと。

開眼、開眼、開眼・・・・・・!  

ああ、これを機に何かを悟ったりして!?


それにしても、

細菌がどんな経緯でいかなるルートで患部へと侵攻したのか?

それは、どこにも痕跡が残されておらず、見当がつかないらしい。全くの謎。

どうやら、今回の俺の件、わりとレアなケースだったようだ。

謎と意外性、

まあ、ミステリ作家だから、そういうものなのもしれない!?


いやはや、とにかく峠は越えた。

さあ、これから、完治に向かって、日々の開眼あるのみ!

6月2日(木)2022

いやはや 

やっと、

昨日、


退院しました! 


この半月間ほど、都内の大学病院に

入院していたのです。


先だって当ブログで報告したように

右の目(目蓋)が炎症を起こし、試合後のボクサーみたいに腫れていたのですが、

さらに悪化し、霞流一ならぬ片目流一の状態に・・・。


先月半ばに緊急入院し、

手術を受け、点滴の日々を送ることとなったわけです。

術後は良好らしく、右目の視界が少しづつ広がりつつあるので、

ようやく昨日の退院へと至りました。

今後は完治に向けての通院治療が続けられます。


いやあ、ホント参りました。何たって健康が一番と激しく実感。そして、普通の日常のありがたさよ!


まだ読み書きに難儀している状態なので、取り急ぎの報告までということで、

本日はこのへんにしておきます。

各方面にはご迷惑おかけしておりますが、

どうかご理解とご了承のほど切によろしくお願い申し上げます。


あ、そうそう、

入院中に誕生日を迎えてしまいました。62歳で入って、出てきた時は63歳。妙な気分です。

バースデイメールをくださった方々、お返事を送ることが出来ず申し訳ありませんでした。

どうかお察しくださいませ。


さて、上記の通り、今後しばらくの間は通院生活が続くことになりますが、

せっかくですので、

今回の入院中に見聞した小ネタやエピソードなんかを

気の向くまま体調の赴くまま、少しづつ綴ってみようかと思っております。

転んでもタダでは起きないって根が貧乏性なもんでして、

どうか今後とも何卒よろしくお願い致します。