隣り町の大きな魚屋で見た光景。
5歳か6歳くらいの
半ズボンの男の子が
鮮魚(パック入り)がズラリと並んだ冷蔵棚を
真剣な眼差しでしばらく見つめ、
やおら、その中から一つを手に取ると
ゴムエプロン姿の店員のオッチャンに差し出し、
「これ、三枚におろしてよ。頭を捨てないで、ね」
と食通のようなオーダーを繰り出す。
と、オッチャンの方も慣れた様子で
「あいよ!」
って威勢のいい声で受け取る。もはや常連さんへの対応のよう。
俺、このシーンにちょいと驚きながら
改めて男の子を見ると、
何やら魚のキャラクターの絵柄の袋(中身はお菓子?玩具?)を
右手に大切そうに握りしめている。
そして、再び店内の鮮魚のケースを丹念にチェックしているのだ。
ああ、この坊やは何者? 魚の子?
将来、さかなクンのようになるのだろうか? ギョギョ?!