あ、そうそう、
こないだ、
町内の医院に
いつも飲んでる薬の処方箋をもらいに行ったんだよ。
で、
小さな待合室で順番を待ってたんだけど、
隣に座っていたどこかの爺さんが
靴を脱いでさ
足の先っぽを一生懸命マッサージしてるんだよ、
靴下だけの足をさ。
その匂いがなかなかものでさ、
オイラ呼吸に苦労しちゃったよ。
しかも、爺さんったら力こめて
足をギュギュと絞るように揉んだり
グルグル回したりするもんだからさ
余計に匂いが立ち上ってきちゃって、もう参ったよ。
マスク越しでも関係ないし、
マスクしてるから元から呼吸が辛いのにさ、弱っちゃうよ。
でもさ、ふと思ったよ。
爺さんのこの匂いって
生きてるからこその匂いなんだよな、って。
爺さんが懸命に生きようとしている生命力の匂い。
爺さん、頑張れ!
いきものバンザイ!
ああ、処方箋だけだから、
オイラの順番早く回ってきてよかったあ、バンザイー