隣町の駅ビル地下の
鮮魚店にて。
この日、俺は
イカの刺身が食いたくて
刺身売り場のコーナーを物色、
そして、見つけた。
それも最後の一個であった。
んで、手を伸ばそうとしたんだが、
ふと、傍らの
ちっちゃい女の子とお母さんの親子連れが気になってしまった。
二人は刺身を選んでいる真っ最中。
母「**ちゃん、どれにする? イカはどう?」
子「イカって何?」
母「タコみたいの。美味しいわよ」
ああ、イカが買われてしまうのか・・・
と焦り気味の俺・・・・・・。
子「イカか・・・、うーん・・・」
母「じゃあ、ホタテはどう?」
子「ホタテって?」
母「貝よ。大きい貝」
子「うーん・・・」
おい、ホタテにしなよ、ホタテがいいよ、
と心の中で猛然とプッシュする俺・・・
母「じゃ、やっぱり、イカがいいわよ。美味しいわよ。イカにしよ、ねっ」
おお、何やら、イカを食べたいのはお母さんの方だぞ、
おいおい、俺、大ピンチ・・・
すると、女の子はお母さんの強いイカ推しが
気に入らなかったらしい。キッパリと
「いや! イカ、嫌い!」
お母さん、ちょっと残念そうに溜息をつき、
「じゃあ、ホタテにしましょう。いいわね」
「うん、ホタテ、ホタテ!」
ナイス! ちっちゃい女の子!
ありがとう!と胸の中で大声で礼を言いながら
俺は心おきなくイカの刺身を手に取ったのであった。
イカゲーム。