JR中央線で
斜め前に座っていたマスクのオッサン、
両手に透明ビニールの手袋、
キッチンで洗い物なんかをする際の
あの薄い透明のビニールの手袋をはめていた。
おお、きっと、この人は極めて慎重な性格で
防菌対策のためなんだろうな
と思ったけど、
いや、 もしかして、
防寒の方の可能性も
捨て切れないぞと考え直した。
だって、あの透明ビニールの手袋って
通気性がない分、汗ばむくらい暖かいからね。
防菌か、防寒か、
この季節、どちらなのか?しかと判断しかねる。
と思案していたら、
ふと、以前、古本屋で目撃した光景を思い出した。
見るからにディープな古書マニアのオッサンが
両手にピチピチの黒いゴム手袋を付けて
店内の棚を物色していたのだ。
この場合の手袋の役割とは
自分のコレクションになるかもしれない
大切な古本を汚さないようにするためである。
そういう可能性も有り得るのだ。
ああ、斜め前の座席のオッサンは
果たしてどのケースなんだろうか?
ああ気になる。
その解答を得ないまま俺は目的の駅に着き
降車してしまった。
ああ、今もまだずっと気になっている・・・
防菌? 防寒? それとも古本?